結婚して10年。
夜の生活は、もう5年ゼロ。
でも、性欲は別に衰えない。
よし。マチアプでもやるか。
今思えば、すべてはここから始まった。
42歳、マチアプで想像以上に相手にされない
マチアプに登録して、20代の女性を中心にメッセージを送ってみる。
返信が来ない。
また送る。
来ない。
たまーに返ってきても、続かない。
ひどいときなんて、最初の返信が、
「無理かな。」
一言だけ。
いや、もうちょっとなんかあるだろ。
やっとのことで会えた女性もいた。
普通にカフェでお茶して、普通に話して、
「今日はありがとう!」
なんて別れたのに、その後連絡が取れない。
思ってた以上の惨敗だった。
でも、この時点ではまだ原因が分かってなかった。
ある日、気づいた。
ああ、分かった。若い子ばっかり相手にしてるからダメなんだ。
そりゃそうだよね。
42歳のおじさんが20代の女の子にメッセージ送ってるんだもん。
じゃあ同年代ならいけるんじゃね?
ということで今度は、ミドルエイジの既婚者を対象にしたアプリに切り替えてみた。
これならさすがに違うでしょ。
年齢も近い。
お互い既婚者。
条件はかなり対等になったはず。
……
全然返信ないんですけど。
同じじゃん。
やっと取り付けた顔合わせのアポも、当日ドタキャン。
ここでようやく認めざるを得なくなった。
若い子だからダメだったわけじゃない。
オレがダメだった。
確かに20代の頃から20キロ近く太った。
身長も低い。
イケメンでもない。
どうやらオレは、恋愛市場に出荷するとかなり厳しい商品らしい。
もう風俗で発散するしかないんかのぅ
とはいえ、性欲はなくならない。
もう風俗で発散するしかないんかのぅ。
寂しいのぅ。
なんて、もんもんとした日々を過ごしていた。
もちろん風俗は風俗でいい。
でも、なんか違うんだよね。
最初からサービスとして全部決まっている関係じゃなくて、普通の女の子と会って、話して、一緒に過ごして、その先の関係まで楽しみたい。
でもマチアプでは相手にされない。
キャバクラなら若い女の子とは話せるけど、その先まで行こうと思ったら一体いくら使うんだ。
オレが欲しいものと、オレ自身の商品価値がまったく釣り合ってない。
困った。
そんなときだった。
SNSを眺めていたら、P活アプリの広告が流れてきた。
そこで、ふと思い出した。
あれってパパ活だったの?
以前、普通のマチアプをやっていたとき。
プロフィールに、
「普通の出会いは求めていません」
みたいなことを書いている女の子がいた。
その子からメッセージが来て、
「条件どうお考えですか?」
と聞かれたことがある。
当時のオレは、
業者かよ!
と思って即ブロック。
でも、P活アプリの広告を見ながら思った。
……待てよ。
あれってP活だったんじゃね?
そこで初めてちゃんと興味を持った。
素人の女の子と会って、お手当を渡して一緒に過ごす。
恋愛じゃない。
風俗とも違う。
キャバクラとも違う。
……。
今のオレに一番合ってる気がする。
そんな流れで、試しにP活アプリへ登録してみることにした。
選んだのはペイターズだった。
なんか普通のマチアプと全然違くない?
登録して最初に思った。
なんかさ、仕様が普通のマチアプと全然違くない?
というか、男性側が確認できる女性の情報がやたら多い。
女性のログイン傾向や登録時期。
さらに運営のコンシェルジュを利用すると、女性についてさまざまな情報を確認できる。
※機能や表示される情報は変更される可能性があるので、ここでは当時オレが利用した際の印象として書いています。
なんだよこれ。
こんなに女性側の情報分かるの?
マチアプでは、こっちは返信が来るのか来ないのかすら分からず、「選んでください」とプロフィールをこねくり回していたというのに。
ずいぶん扱い違うじゃないの。
そして、さらに驚いた。
女性を見てみる。
……。
可愛い子、めちゃくちゃいるじゃん。
いや。
むしろ可愛くない子探すほうが大変じゃない?
ぜっっっんぜんマチアプと違うんですけど。
なんて感心していたら、今度は女性からメッセージが届き始めた。
また来た。
また来る。
まだ来る。
登録初日だけで数十件。
ちょっと待って。対応しきれない笑。
ついこの間まで、こっちからメッセージを送っても返信すらもらえなかった男ですよ?
何が起きた。
しばらく眺めていて理解した。
ああ。
そういうことね。
ここにもちゃんと資本主義があった。
お金を払う側と、受け取る側。
女性は男性に選んでもらうために、自分をアピールする。
普通のマチアプとは逆だった。
マチアプでは男が女性に選んでもらいたくて、
「僕どうですか!」
と必死にアピールする。
オレもその一人だった。
そして、
ぜんぜん選ばれなかった。
ところが場所を変えただけで、今度は女性から次々メッセージが届く。
はい。
理解しました。
オレが突然モテるようになったわけではありません。
市場が変わっただけでした。
でも、そんなことはどうでもいい。
早く実際に会ってみたい。
初めて自分からメッセージを送ってみる
埼玉県内在住で、平日の昼間に時間が取れそうな子に絞ってプロフィールを見てみる。
うんうん。
相変わらず可愛い子ばっかり。
そんな中、一人の女性が目に留まった。
黒髪ロング。
目元はぱっちりしていて可愛い印象。
ただ、写真では手で顔の下半分を隠している。
なんとなく清楚で大人しそうな雰囲気だった。
プロフィールには、
余裕のある男性とお会いしたいです。
夢があり、応援してくれる方だと嬉しいです。
とある。
こういうの見るとさ。
勝手に人物像を想像しちゃうよね。
清楚で大人しめ。
バイトしながら、夢を叶えるために日々奮闘中。
でもお金には余裕がなくて、自分の夢を応援してくれる男性を探している。
みたいな。
まだ一言も話してないのに、オレの中ではすでにそんな女性になっていた。
気になったのでメッセージを送ってみる。
初めまして。プロフィール拝見しました。
夢の応援したいなと思ってます。
よかったらやり取りしながら詳しくお話お聞きしたいです。
すると、すぐに返信。
メッセージありがとうございます!
こちらこそよろしくお願いします。
こんなにすぐ返信来るんだね。
さすが資本主義笑
ただ、ここで困った。
えーっと……。
しばらくメッセージでやり取りしたほうがいいのか?
いきなり会おうって言ったら返信来なくなるんかな?
マチアプで散々無視されてきた弊害である。
とりあえず探ってみる。
返信ありがとうございます!
熊谷は仕事でよく行きます。
来週も何度か行きますので、お会いしやすいですね。
すると、またすぐ返信。
そうなんですね!よかったです!
来週いつ来るんですか?
昼間であれば割といつでも時間作れます。
……。
なんだよなんだよ。展開早い!
ダラダラとメッセージする必要ないじゃん。
来週は月、木と行きますよ!
よかったらお会いしませんか?
すると、
木曜日空いてます!
大変恐縮なのですが、最初はお顔合わせのみでお願いしたく、
1いただいているのですが、大丈夫でしょうか?
あ。
そうだった。
これ、パパ活だった。
お手当の話するんだった。
もちろんですよ!
一度お会いしてお話しましょう。
こうして、やり取りを始めたその日のうちに会うことになった。
でも一つだけ気になる。
「最初はお顔合わせのみで」
って言ってたよな。
その先の関係は難しいのかな。
まあいい。
人生初のパパ活だ。
まずは実際に会ってみよう。
人生初のパパ活、顔合わせ当日
そして木曜日。
待ち合わせ場所に現れたのは、プロフィール写真から想像していた雰囲気と大きく変わらない女性だった。
黒髪ロングで、派手さはない。
よかった。ちゃんと普通の女の子来た。
いや、何が来ると思ってたんだって話なんだけど。
初めてだから、こっちも勝手が分からない。
とりあえず近くのカフェに入った。
何を話したかは正直ほとんど覚えていない。
仕事のことだったり、普段何してるのかだったり。
本当に他愛もない話。
でも普通に会話はできたし、プロフィールから感じていた大人しそうな印象もそのままだった。
顔合わせのお手当を渡して、カフェを出る。
そのまま駅まで一緒に歩いた。
人生初のパパ活。
とりあえず無事終了。
……するはずだった。
ここから思いもよらない展開が待っていた。
「最初は顔合わせだけ」は建前だった
歩きながら、オレから少し踏み込んでみた。
「最初は顔合わせだけって言ってたじゃん?やっぱりどんな人か分からないのに、そういう関係なんて約束できないよね笑」
すると彼女。
「あ、いえ。建前です」
……え?
「なんか最初からメッセージで生々しい話すると、キャラ壊れそうかなと思って」
……。
うん。パパ活アプリすっごいわ。
最初から強者でした。
清楚で大人しそう。
夢に向かって頑張っている。
そんな女性を勝手に想像していたオレ。
ただ、この回答で一気に話が変わった。
「そうなんだ笑。じゃあ……このまま……どう?一応お手当3で考えてるんだけど……」
たぶん、このときのオレ。
キモおじさん。
初めてという緊張。
さらに「最初は顔合わせだけ」のつもりだった女性から、予想外の回答。
完全にテンパっていた。
ところが彼女は、
「大丈夫です!お願いします!」
ニコッ。
……。
人生初のパパ活。初回から大成功でした。
これ、今のオレにめちゃくちゃ合ってない?
なんかさ。
めちゃくちゃ楽しいんですけど。
会うまでは、
どんな子が来るんだろう。
写真と全然違ったらどうしよう。
話は合うのか。
顔合わせだけで終わるのか。
その先まで行けるのか。
ちゃんと駆け引きのドキドキがある。
そのうえで、お互いの希望が合えば、その先の関係にもなれる。
これ、キャバクラだったらここまで行くのにいくら使う?
マチアプでは、そもそも会うところまでたどり着かない。
風俗なら最初からゴールが決まっている。
キャバクラなら若い女の子と楽しく飲めるけど、その先なんて保証されていない。
その間に、パパ活があった。
ああ。
これ、今の自分にかなり合ってるわ。
こうして、マチアプで惨敗していた40代男は、パパ活に行き着いた。
ちなみに「清楚で大人しそうな子」の正体
ちなみにこの子とは、その後も3回くらい会った。
会うたびに少しずつ素の部分も分かってきたんだけど。
結果から言うと、
ぜんっぜん清楚なんかじゃなかった。
ムラムラする日は、一人でクラブに行ってナンパ待ちすることがある。
首を絞められると感じる。
乳首は噛まれたい。
一度、咽頭淋病になって喉がかなり辛かったので、それ以来口でするのはあまり好きじゃない。
……。
オレが勝手に想像していた清楚な女性、どこ行った。
まあ、よく考えれば彼女は一言も、
「私は清楚です」
なんて言ってない。
黒髪ロング。
顔を半分隠した写真。
「夢を応援してくれる方だと嬉しいです」
たったそれだけの情報から、
勝手に清楚で健気な女性を作り上げたのはオレである。
そして、この子との出会いを皮切りに、オレのパパ活は始まった。
この先いろんな女性と出会って、いい思いもした。
盛大に失敗もした。
「なんでこうなる?」みたいな出来事も山ほどあった。
でも、この日の帰りに思ったことだけは今でも変わらない。
マチアプであれだけ惨敗して、
もう風俗しかないんかのぅ。
なんて思っていたオレが、ようやく自分に合う遊び方を見つけた。
パパ活、めちゃくちゃ楽しいじゃん。


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